競馬の控除率が勝てない理由と仕組みを解説
競馬は多くの人が楽しむ公営ギャンブルですが、参加者の多くがプラス収支を出すのは難しいとされています。その背景には「控除率」という仕組みが大きく関わっています。
控除率とは運営側の取り分を示す指標
控除率とは、馬券の売上から運営側が差し引く割合を指します。たとえば、100円分の馬券が売れた場合、そのうちの一定割合が自治体や運営団体の経費・利益として差し引かれ、残りが当選者への配当に回されます。
この控除率は、競馬だけでなく宝くじやパチンコなど他のギャンブルにも存在します。競馬の場合、控除率はだいたい20%から30%程度に設定されていて、これは他のギャンブルと比べるとやや高めです。つまり、最初から全員が均等に買い続けると、参加者全体でみると必ずマイナスになる仕組みです。
控除率が高いほど勝ちにくくなる仕組み
控除率が高いということは、馬券購入者に還元されるお金が少なくなることを意味します。たとえば控除率が25%の場合、100万円の売り上げがあっても、配当に回るのは75万円だけです。つまり、理論上は長期的に馬券を買い続けるとどんどん損をすることになります。
この仕組みを知らずに買い続けると、「あともう少しで当たるかも」と思いがちですが、実際には控除率の壁があるため、ほとんどの人がトータルで見ると負けてしまいます。そのため、控除率を意識した買い方が非常に重要になります。
競馬で勝ち続けるのが難しい本当の理由
競馬で継続的にプラス収支を出すのが難しい主な理由は、控除率と予想の難しさが組み合わさっているためです。馬ごとにコンディションや展開が読みにくく、人気と実力が必ずしも一致しないことが珍しくありません。
また、控除率の存在により、ただ的中させるだけでは十分なリターンを得るのが難しくなります。的中率が高くても控除分をカバーできなければ負けが積み重なります。多くの人が「惜しい」と感じながらも勝ち続けられないのは、控除率が常に見えない壁として立ちはだかっているためです。
馬券の種類ごとの控除率とその影響
馬券にはさまざまな種類があり、それぞれ控除率や払戻しの仕組みが異なっています。選ぶ券種によって期待できるリターンやリスクが大きく変わるため、違いを知っておくことが重要です。
単勝や複勝の控除率と払戻しの関係
単勝は1着の馬を当てる馬券、複勝は3着以内に入る馬を当てる馬券です。これらの馬券は比較的控除率が低く、JRAでは約20%前後に設定されています。控除率が低い分、払戻しの総額が高くなりやすい特徴があります。
一方で、単勝や複勝の配当は的中しやすい分、大きなリターンは期待しにくいです。安定して当てやすいですが、一度の的中で大幅に増やすことは難しく、長期的には小さな利益を積み重ねる戦略が求められます。
三連単やWIN5など高配当券種の控除率
三連単は1着から3着までを順番通りに当てる馬券で、WIN5は5レースすべての1着馬を当てる馬券です。これら高配当が狙える券種は控除率が高めに設定されています。JRAの三連単は約27.5%、WIN5は約30%です。
控除率が高いということは、買い続けるほど損をしやすくなることを示します。的中率が極端に低く、夢のある配当が魅力ですが、長期的に見ればマイナスが大きくなりやすいです。リスクとリターンのバランスをよく考えて購入する必要があります。
地方競馬とJRAで異なる控除率の違い
日本の競馬にはJRA(中央競馬)と地方競馬がありますが、控除率には違いがあります。地方競馬の控除率はJRAよりも高い傾向があり、30%を超えることもあります。一部の券種では35%前後になるケースもあります。
このため、地方競馬の馬券は当たっても払戻しが少なくなりやすいです。逆にJRAの方が控除率が低めなので、同じ馬券でも理論上はJRAのほうが参加者に有利な仕組みです。どちらで馬券を買うかを考える際は、控除率の違いに注意が必要です。
競馬で負けやすい買い方と回収率を上げるコツ
競馬で負けが増えやすい買い方には特徴があります。控除率を意識しながら、自分の買い方を見直すことで回収率を高めるヒントにつながります。
多点買いが負けやすくなる理由
多点買いとは、同じレースや同じ券種でたくさんの組み合わせを買う方法です。的中のチャンスが増えるように感じますが、その分、投資額も増えてしまいます。
例えば三連単で多点買いをすると、的中時の配当は大きくても、トータルの購入額がかさみます。結果的に、控除率分の損が積み重なりやすくなります。たくさん買えば当たる可能性は高まりますが、当たった時の利益が小さくなり、長期的に見れば回収率が低下しやすい点に注意が必要です。
的中率と回収率のバランスを考える方法
競馬でプラス収支を目指すには、的中率(当たりやすさ)と回収率(投資に対するリターン)のバランスが大切です。的中率だけを重視して低配当ばかり狙うと、損失を取り戻すのが難しくなります。
一方で高配当ばかりを狙いすぎると、的中しない期間が長くなり、資金が尽きてしまうリスクもあります。自分の資金や目標に応じて、的中率と回収率のどちらに比重を置くか考えて買い方を工夫することが大切です。たとえば、単勝・複勝で安定した的中を狙いながら、時には少額で高配当馬券も買うといったバランスの取り方も有効です。
買い方を工夫して控除率の影響を減らすポイント
控除率の影響を受けにくくするためには、無駄な馬券購入を減らし、期待値の高い買い方に絞ることが大切です。根拠のない多点買いは避け、しっかりと予想を立てた上で、自信のある馬券に絞りましょう。
また、控除率の低い券種を選ぶことも有効です。単勝や複勝は控除率が低いので、コツコツと積み上げていくスタイルに向いています。さらに、レースごとに予想の精度や自分の得意な条件を見極め、無理に全レース買わない勇気も重要です。
競馬で勝ちを目指すために知っておきたい知識
競馬で少しでも勝率や回収率を高めたいと考えるなら、レース選びや資金管理、戦略の立て方など知っておくべきポイントがいくつかあります。
レース選びと券種選びの重要性
全てのレースで馬券を買うのではなく、自分が得意な条件や狙いやすいレースを選ぶことが大切です。たとえば、出走馬の情報が豊富なレースや、人気馬以外に注目馬がいるレースは狙い目になります。
また、券種によってリターンやリスクが変わるため、的中率を重視するなら単勝・複勝、高配当を狙いたい場合は三連単・三連複など状況に応じて選択しましょう。自分の予想スタイルや資金に合った券種を選ぶことで、無駄な損失を減らすことにつながります。
回収率100%超えを目指すための戦略
理論上、回収率100%を超えるには「期待値の高い馬券」を選び続ける必要があります。期待値とは、予想に対して得られる平均的なリターンのことです。競馬ではオッズと予想の精度が重要になります。
自分の予想が他の参加者よりも優れているときや、過小評価されている馬を見つけたときに馬券を買うことが、回収率アップのカギです。また、以下のように振り返りを行い、データを活用しましょう。
- 購入した馬券の的中率・回収率を記録する
- 得意な条件や不得意なパターンを見極める
- 過去の結果を基に戦略を見直す
地道な分析と改善を繰り返すことで、回収率向上に近づきます。
競馬で損しないために意識すべきマネープラン
競馬で大きく負けないためには、資金管理が重要です。1日で使う金額、1レースごとに掛ける金額をあらかじめ決めておき、熱くなりすぎないように注意しましょう。
また、負けた分を一気に取り戻そうとせず、冷静な判断を保つことも大切です。無理な買い増しや借金に頼るのは避けましょう。余裕のある範囲で楽しむことが、長く競馬を続けるコツです。
まとめ:競馬で勝ち続けるために控除率の理解が不可欠
競馬を長く楽しみ、できるだけ損を減らすためには控除率の仕組みを知り、自分の買い方や資金管理を見直すことが欠かせません。馬券の種類や買い方によってリスクとリターンが大きく変わるので、冷静な判断と戦略的なアプローチを心がけましょう。