競馬のトリガミとは何か正しく理解しよう
競馬を楽しむ上でよく耳にする「トリガミ」という言葉ですが、意味や仕組みを正しく理解することは、より充実した馬券ライフに役立ちます。
トリガミの意味とその由来を知る
トリガミとは、競馬において馬券が的中しても、払戻金が購入額を下回る現象を指します。たとえば合計2,000円分の馬券を買い、的中しても払戻金が1,800円であれば、200円分の損失が出てしまいます。このように、当たりはしても結果的には損をする状況が「トリガミ」と呼ばれています。
この言葉の由来は、落語の「取り紙」にさかのぼります。もともと「とりがみ」とは、商売で売掛金を回収できず紙切れだけをもらうことを指していました。転じて、競馬では「馬券が当たったのにお金が減る」という意味合いで使われるようになったのです。馬券を購入する際には、このトリガミの存在を意識することが大切です。
トリガミが発生する主なケース
トリガミが起きやすいのは、複数の馬券を同時に購入する場合や、的中しやすい低配当馬券を選んだときです。特に、当たりやすい組み合わせを増やそうと購入点数が多くなるほど、配当金が分散し、全体の購入額が上回ってしまうことも珍しくありません。
また、人気馬ばかりに賭けて配当が下がるケースもよく見られます。いくら馬券が的中しても、オッズが低ければ受け取れるお金は限られてしまいます。こうした状況を防ぐためには、購入金額と配当予想のバランスを考える必要があると言えるでしょう。
トリガミの計算方法と具体例
トリガミになるかどうかは、購入金額と的中時の払戻金を比べることで簡単に確認できます。計算式は以下の通りです。
【トリガミの計算式】
払戻金額-購入金額=損益
たとえば、1点100円で5点(合計500円)購入し、オッズが3.0倍の馬券が1点的中したとします。払戻金は100円×3.0=300円。損益は300円-500円=-200円です。この場合、200円の損失が出ており、トリガミとなります。
このように、複数点数を購入した場合や、オッズが低い馬券を選んだ場合は、事前に計算でトリガミにならないかチェックしてみましょう。
トリガミを悪くないと考える理由
「トリガミ」と聞くと損をした感覚になりがちですが、実は考え方によっては悪いことばかりではありません。ここではその理由について解説します。
トリガミでも資金を守れるメリット
トリガミはたしかに利益を得ることはできませんが、全額を失うリスクを抑える役割もあります。馬券が全て外れてしまえば購入額がすべて失われますが、トリガミであれば一部が戻ってくるため、資金が急激に減ることを避けられます。
たとえば、競馬初心者や、資金を長く持たせたい方にとっては、トリガミを許容する買い方も十分に考えられます。完全に「損した」と否定的に考えず、資金管理の一環と捉えることもできるでしょう。
回収率アップを目指す長期視点の重要性
競馬で勝ち続けるためには、1回ごとの大勝ちよりも、長期的な回収率の向上が大事です。回収率とは、購入した馬券の合計金額に対して、払戻金の合計がどれだけ戻るかを示す指標です。
短期間での損益に一喜一憂するのではなく、何度もレースを重ねていく中で、少額のトリガミを繰り返しても、最終的にトータルでプラスにできれば問題ありません。トリガミを気にし過ぎることで無理な賭け方になるより、地道な積み重ねを意識することが大切です。
「トリガミはださい」という風潮の背景
ネットやSNSでは「トリガミ=ださい」と揶揄される風潮がありますが、これは当てただけで利益が出ないことへの誤解や、派手な勝利を求める心理が背景にあります。
しかし、実際にはトリガミを嫌うあまり高額の一点買いに走るほうがリスクは高まります。また、競馬は楽しみ方が人それぞれです。人目や流行に惑わされず、自分のペースで馬券を楽しむことが大切だといえるでしょう。
競馬でトリガミを避けるための実践的な買い方
トリガミを避けたい方は、馬券の買い方や資金配分に工夫を取り入れることが重要です。具体的なポイントを解説していきます。
購入点数のコントロールでリスクを減らす
購入する馬券の点数を増やせば的中率は上がりますが、同時にトリガミのリスクも高くなります。なぜなら、配当が購入総額を上回らなければ損となるためです。
点数を絞ることで、的中した際の利益幅を確保しやすくなります。おすすめの方法としては、以下のようなルールを設けることです。
- 一度に購入する点数を決めておく
- 期待できる組み合わせに絞って買う
- 配当と購入額を事前に計算する
こうした工夫により、点数の増えすぎを防ぎ、トリガミのリスクを減らすことができます。
オッズと配当を意識した馬券選びのコツ
馬券を買う際は、オッズと配当金額をしっかり確認しましょう。たとえば、オッズが2.0倍の馬券を1,000円買って的中すれば、払戻金は2,000円です。しかし、他の組み合わせにも同額をかけると、合計購入額が上がりトリガミの可能性が高くなります。
コツとしては、購入点数ごとに「全ての組み合わせが的中した場合の最低配当」を事前にチェックすることです。また、配当が低いと感じたときは、見送る勇気も必要です。無理にすべての馬券を買うより、メリハリをつけた買い方が有効です。
単勝複勝と連系馬券それぞれの注意点
単勝や複勝は比較的シンプルで、購入額とオッズが明確にわかりやすい馬券です。しかし、このタイプも人気馬に集中しすぎるとトリガミが起きやすくなります。一方、連系馬券(馬連・馬単・三連複など)は多点買いで賭けることが多く、的中時の配当と購入点数のバランスが重要です。
どちらの場合も、「配当が購入金額を下回らないか」をチェックしましょう。特に連系馬券では、買い方次第で点数が増えやすいため、購入前に計算することを癖づけると安心です。
トリガミを活用した競馬資金管理術
トリガミを活用した資金管理も、競馬を長く楽しむための有効な手段です。ここでは戦略的な考え方をまとめます。
トリガミを許容する戦略と回収率のバランス
全てのレースで利益を出すのは難しいため、トリガミを許容する戦略も現実的です。重要なのは、損失を最小限に抑えつつ、トータルの回収率を高めていくことです。
たとえば、的中率を重視して小さく負けるレースと、勝負レースで大きく狙うバランスをとるのも一つの方法です。下記のように管理するのがポイントです。
資金配分例 | 的中率重視 | 回収率重視 |
---|---|---|
多点買い | ◎ | △ |
一点集中 | △ | ◎ |
上手に使い分けることで、トリガミを活かした資金管理が可能になります。
無理にトリガミを避けない買い方の考え方
「絶対にトリガミをしない」という姿勢は、時に無理な賭けやリスクの高い一点買いを招きかねません。トリガミは損失を抑えながら的中体験を積める面もあるため、適度に許容することも大切です。
また、トリガミを恐れるあまりチャンスを逃すこともあるかもしれません。長期的な視点で、「負けを小さく、勝ちを大きく」を意識した買い方が、結果的には安定した資金管理につながります。
目先の利益より大切な資金管理と継続性
競馬を長く楽しむためには、目先の利益だけを追い求めず、資金管理を徹底することが不可欠です。一度の勝ち負けで感情的になって賭け金を増やすより、冷静に予算の中で馬券を楽しむことが継続のポイントです。
トリガミをうまく取り入れながら、無理のない範囲で遊ぶことで、競馬の楽しさや達成感も持続しやすくなります。自分に合った管理法を見つけてみてください。
まとめ:トリガミを正しく理解して無理なく競馬を楽しもう
トリガミは決して恥ずかしいものではなく、競馬の資金管理やリスク回避に役立つ面もあります。自分のスタイルに合わせて無理のない範囲で馬券を楽しみましょう。
正しい理解と工夫次第で、トリガミも競馬の魅力の一部になります。焦らず、長く楽しく競馬と向き合うための参考にしてみてください。