「競馬新聞は複雑で見方が分からない・・・」
「競馬をはじめたいけど新聞が読めないと予想ができないの?」
「競馬のベテランは新聞のどこを見て予想しているの?」
競馬の予想をしたいけど、新聞が複雑でどこを見たらいいのか分からないと思いませんか?競馬新聞は予想に欠かせないものですが、初心者の人には読みづらく、ハードルが多少高いのも事実です。
この記事では、競馬新聞の見方を初心者でも分かるように解説。あわせて、競馬予想のベテランは競馬新聞のどこを見て予想しているのかも紹介します。
また、現在は紙の新聞よりも予想のメインになってきているネット新聞についても紹介します。この記事を読むことで、新聞の読み方がお分かり頂け、競馬の楽しさがますます広がることでしょう。
競馬新聞の見方を知る必要性!過去の成績が一目で分かる!
競馬の予想に欠かせないものと言えば競馬新聞。見慣れていない人には何が書いてあるのか分かりにくいものですね。しかし、見慣れてくると新聞なしでの予想はできなくなるほど重要な情報が詰まっています。
新聞に書いてある情報はすべて過去の事実のみを掲載しています。良い情報や悪い情報も含め、過去の成績が一目で分かるので馬の能力を知るためには欠かせないものであるでしょう。
馬の見た目や雰囲気だけでの判断はどうしても個人の主観により、過去の成績までは分かりようがありません。新聞の情報を加えることで、馬の過去の成績がどういった経緯での結果であるかが全て分かります。
さらに、新聞社ごとに、毎日競馬に関わるプロのコメントや予想が添えてあるので客観的な判断のヒントになります。競馬の予想をする上で、新聞の見方を知ることは、どのような予想スタイルにおいても必須と言えるでしょう。
競馬新聞の見方を解説!
競馬新聞には過去の事実が不足なく書かれているため、どうしても文字量が多くなり初心者には分かりづらいものです。しかし、どの新聞社であっても大体書かれている内容は同じなので、一度理解してしまえばすんなりと分かるようになります。
新聞を見る上で共通しているポイントとして、
・情報の見方を知ること
・得た情報をどのように活かすか
・過去の事実以外に活かせる情報はないか
といったことが重要になってきます。それでは、実際の新聞の見方について写真付きで解説をしていきます。
サンプルとして、競馬エイト、日刊の無料サンプルを使って紹介します。
画像引用:競馬エイト 新聞サンプル
出走馬の名前欄!父・母の名前で血統が分かる
一番上部に書かれている数字は枠番と馬の番号です。こちらの場合は5枠9番という意味です。
真ん中に太字で書かれているのは出走する競走馬の名前。両脇に書かれているのは父馬・母馬の名前です。カッコ内の名前は父、母の親の名前になるので、どのような血統が受け継がれているのかが分かるようになっています。
血統を重視する人は最初に見る欄となるでしょう。
重量・騎手・騎手の騎乗実績・年齢性別欄
こちらには馬の年齢性別や騎手が誰で体重、負担する重量は何キロか、その馬に乗った時の成績はどうかといった情報を見ることができます。
重量55キロというのは、騎手の体重に重りを加えた重量です。重りを加えることで馬の負担を揃えたり、ハンデの調節をしています。重りを加えた重量は53~58キロ程で、騎手自身の体重は52キロほどが一般的です。
牡3というのはオス馬で3歳ということです。オスの馬は牡馬(ぼば)の牡、メス馬は牝馬(ひんば)の牝で書かれます。
隣の〇印は雨が振り、芝が悪くなった際にも対応ができるかを表したものです。
各予想家の印!気になった印を参考にしよう
各新聞社の予想家や専門家の予想印が書かれています。
一般的には、
◎:本命、1番評価
〇:対抗、2番評価
▲:単穴、◎や〇に勝てる可能性がある馬。3番評価
△:連下、2.3着には入りそうな馬。4番評価
☆:穴馬、期待度は異なるが3着以内に入ってきそうな馬。
のように評価して印にしています。信頼できると思った人の予想を参考にすることも効果的であるでしょう。
厩舎・生産牧場欄
競走馬がどこの牧場や厩舎で育ってきたのか、馬主は誰か、これまでに獲得した賞金などの情報が書かれています。
特定の厩舎の馬によって強いレース条件があり、重視している人も多い項目です。それぞれの厩舎や調教師の育成方針が異なるためでしょう。
クラス成績で実力判断!
競馬は獲得してきた賞金により、クラス分けがされています。1勝クラスで活躍した馬が、2勝に上がったら通用しないということもあるため、忘れずに確認しておきたい項目の一つです。
新聞により、横書きや縦書きの違いはありますが、基本的には左や上から1着・2着・3着・着外の回数を表します。上記の2001の場合、1着が2回、2着3着が0、着外が1回ということを書いています。
イメージ的にはこのクラスでは勝つか負けるかはっきりとしていて、十分通用する実力であることが読み取れますね。
距離実績で適性判断!
競走馬がこれまでに走った距離での実績を表しています。
1番上部の芝2400mの列は、こちらの馬は走った経験がないため2200mの際に、2分15秒0で1着。その際の負担重量は56キロだったことが書いてあります。
展開は脚質を矢印で表しています。一番上の矢印は逃げたことを表現。当該距離は千六なら1600メートル、千八なら1800メートルの成績で、上から1着.2着.3着.着外の回数を表示しています。
どの距離が得意で、どのような脚質で走るのかといったことを読み取ることが可能です。
過去の戦績欄!見慣れてくると新聞の情報だけで映像がイメージできる!
少し複雑で分かりにくくはなりますが、過去の成績が一番詳細に書かれている欄です。
2開催4日目の阪神競馬場、3月31日に行われたG1レースということを表しています。
大阪杯で6着だったということが分かります。隣の2という数字は1着馬との着差です。今回は、1着馬との差は2馬身開いていたと6着ということが読み取れます。惜しい着順だったのか、差が開いた負けだったのかを判断するのに便利です。
二千は2000メートル、内Bは使われたコース、2013は走破タイムを書いています。
内Bについて、競馬では芝コースを使用しますが、開催の長さにより芝が痛むので、走った箇所により有利不利が生じてしまいます。なるべく公平にするため、同じコースでも内ラチの位置を変更し、A~Dとコースを分けています。
2013は走破タイムを表し、2分01秒03で走ったという意味です。馬同士同じ距離でのタイムを比較することで能力の判断をするヒントになるでしょう。
続いて、左から騎手の負担重量、騎手名、1着馬との着差を秒で表しています。
騎手が誰かというのは、もちろん重要なポイントですが、着差についても重要です。
上記にも着差がどれくらいかという記載がありましたが、こちらはより詳細に秒数で表したものです。2馬身という差は実際には0.3秒しか着差がないということが分かりますね。上記の着差とあわせて参考にすると良いでしょう。
こちらは左から出走頭数、馬番号、人気順、馬体重が書かれています。枠順による有利不利を考える際には重要な数字です。人気順はこのレースでどのくらい注目されていたのか目安となるでしょう。体重は馬の調子を判断するのに役立ちます。
このレースで馬がどのような位置取りでレースをしたのかが分かります。数字は各コーナー通過時点で、全出走馬中の何番目に位置をしていたかが数字で分かり、外々回しというのはコースのどこを通ったがイメージしやすくなっています。
新聞の情報だけで、どの地点でスパートをかけたのか、どういったレース運びをしたのかが一目瞭然です。逃げ馬や追い込み馬といっても実際には位置取りを変えてレースをしている場合が多いので、馬の特徴をつかむためにもぜひ見ておきたいポイントです。
左から、レース中盤地点のタイム(62.1)、レースのペース(S)、「上がり3F(35.3)」の数字となっています。ペースに関してはS:スロー M:ミドル H:ハイペースと表現します。
レース中盤地点のタイムとペースを見ることで、どの位置取りと脚質の馬が有利になっているのかが大体分かります。例えば、レース全体のペースがスローであれば、逃げた馬でも体力が残っていることが多く、逃げ切りが成功する確率が高くなります。
逆に、ハイペースであれば、早めに前に行った馬は体力を使い切り、後ろの方で体力を温存していた追い込み馬が有利になります。
さらに、「上がり3F」を見ることで、より競走馬の能力を予想することができます。上がり3Fとはレース残りの600メートルのことで、サラブレッドが全力で走ることができる限界の距離です。
詳しくは後述しますが、逃げ馬がハイペースだったのに追い込み馬よりも上がり3Fが早ければ、能力が高いと考えられます。追い込み馬が体力を温存していたのに上がり3Fがイマイチならば能力が低い可能性が。
レース中盤のタイムとペース、上がり3Fを見ることで競走馬の能力をイメージすることにとても役立ちます。
レースの1着馬の名前です。自分が1着であれば2着馬の名前が書かれます。
仮に、レースで2着であっても1着馬が有名な馬であれば違うメンバーでは勝てる可能性があると言えるでしょう。着差が0.2秒以内のような場合には有名馬とほとんど変わらない実力であると判断もできます。
ここまでに紹介したように、競馬新聞には競馬予想に必要な情報がほぼすべて含まれています。情報量が多いので、さまざまなデータを組み合せたり、買わない馬の判断に役立てたりと、いろいろな使い方ができるでしょう。
競馬新聞は競馬予想に欠かせない情報源であることは間違いありません。
競馬新聞の見方でベテランが重視するポイント
競馬新聞には予想に必要な情報がふんだんに含まれていることがお分かり頂けたでしょうか。しかし、ここまで情報にあふれていると、どの情報を判断材料にすれば良いのか迷ってしまいますね。
どの情報が一番効果的なのかは人それぞれ予想に重視しているポイントが違うため、一概に言うことはできません。中には、全ての情報をかけ合わせて予想している人も多いでしょう。
その中でも、競馬予想のベテランが欠かさずにチェックしているポイントは共通しています。どこのポイントを欠かさずに見ているのかを知り、自分の競馬予想の参考にしていきましょう。
競馬予想のベテランが競馬新聞で重視しているポイントとしては以下の通り。
・距離・馬場の得意、不得意
・騎手との相性
・過去の位置取り・脚質
・上がり3Fのタイム
それぞれ見ていきましょう。
距離・馬場の得意、不得意
競走馬は距離によって得意、不得意がはっきりとしているので、競馬予想のベテランは距離の適正をかならず確認しています。人間にも短距離が得意な人、長距離が得意な人と分かれますね。
競馬はレースによって距離が変わるので、近走の成績がパッとしないけど原因は距離が長かった、といったことはよくあります。これまで中・長距離を使っていた馬が距離を短縮して走るといったこともあるので、距離の適正を見極めることが大切です。
また、距離に加え、競馬場ごとの得意、不得意や馬場の適性も考慮します。例えば、東京競馬場では好成績を残している馬が中山競馬場で走ると全然好走できないといったこともよくあります。
距離や馬場の適性を判断するためには、やはり過去に実際に走った成績から判断することが最適です。競馬予想に慣れている人は、新聞の過去成績から距離の実績や馬場の実績は、忘れずに確認しています。
騎手との相性・成績
競走馬の能力を予想することはもちろん大切ですが、騎手との相性や騎手自体の成績を重視して予想をすることも大切です。競馬予想に慣れている人は騎手との成績も重視して新聞を見ています。
競走馬の主戦騎手は、平日も調教で騎乗する馬に乗っているため、馬のクセや長所、短所を把握しています。競走馬の能力を最大限に発揮するために、騎手との相性は非常に重要です。
競馬のレース結果は馬の実力7割・騎手の実力3割であると言われています。しかし、馬の位置取りや仕掛け所を判断するのは騎手なので、実際はもっと騎手の実力の割合が高いと考えられます。
これまでパッとしない成績の馬が、ベテラン騎手の乗り代わりにより急に好成績を残すといったことも良くあります。中には、騎手の成績だけで予想をする人もいるほど、競馬の予想をする上で欠かさずに見ておくべきポイントの一つだと言えるでしょう。
過去の位置取り・脚質
競走馬が過去にどの位置でレースをしたのか、どのような脚質でレースをしたのかは、競馬予想において非常に大切なポイントです。特に、レース展開を重視して予想を行っている人は一番に見ているポイントでしょう。
全出走メンバーの過去成績から位置取りを見ることで、今回どういった展開になるのかがある程度予想できます。
例えば、逃げ馬が一頭しかいない場合には楽に先頭に立つことができ、スローペースからの逃げ残りが期待できるでしょう。逆に、逃げ馬が4頭も5頭もいるような場合、どの馬も逃げるために前に行きたがります。
結果としてレース自体がハイペースになり、前に行った馬はスタミナが切れ、差し馬や追い込み馬が活躍する展開が予想できます。レースの展開を予想する上で、馬の位置取りは必ず確認するポイントです。
上がり3ハロンタイム
各出走馬の位置取りを踏まえた上で、上がり3Fは競走馬の能力を把握するためにとても重要な要素になります。上がり3F=馬の能力と考える予想理論も数多く存在し、レースの結果を左右するのは上がり3Fといっても過言ではありません。
上がり3Fはレース最後の600メートルの走破タイムを表したものです。出走馬の中でもっとも上がりタイムが早い馬を「上がり最速」と言います。この上がり最速馬が分かれば勝つ馬も分かります。
重要な項目であるため、表を使って紹介します。
位置取り | レースのペース | 上がり3F | 着順 | |
競走馬A | 1-1-1-1 | スロー | 35.3 | 1着 |
競走馬B | 12-12-10-8 | スロー | 33.8 | 2着 |
競走馬C | 2-2-2-2 | スロー | 35.8 | 3着 |
競走馬D | 5-5-4-3 | スロー | 35.7 | 4着 |
競走馬E | 7-7-6-8 | スロー | 34.8 | 5着 |
上記の場合だと、逃げた競走馬Aが粘り勝ちをしています。うまく自分のペースを作り、長くいい脚を使えた馬だとうかがえますね。一方で、競走馬Bにも注目をしたいです。
前が有利なスローペースで鋭い脚を使って追い上げてきています。競走馬B.C.Dは前方にいた馬ですが、上がり3Fを比較するとごぼう抜きをした映像がイメージできます。
次走は展開によっては1着を十分に狙うことができるでしょう。競馬新聞を見る際には、位置取り、上がり3Fを見ることで、競走馬の能力や展開を予想しやすくなります。
競馬新聞のおすすめは?各会社により特徴が違う
実際に競馬新聞を買おうと思っても、種類が多すぎてどれを選んだらいいのかわからないといった経験はないでしょうか。地域によって発売されている新聞が違ったり、新聞により情報の表記の仕方が違ったりするので、自分が読みやすく必要な情報が得られる新聞を選びましょう。
以下に、有名な新聞の特徴をまとめているので、ぜひ選ぶ際の参考にしてください。
新聞の名前 | 値段 | 種類 | 発売地域 | 戦績欄の向き | 特徴 |
東スポ | 140円 | スポーツ新聞 | 全国(地区により名前が違う) | 縦 |
・過去6走までの成績が記載。コースの成績も記載されている |
スポニチ | 140円(中部地区のみ130円) | スポーツ新聞 | 全国 | 横 | ・戦績欄が横書きなので、ネット新聞に慣れている人も読みやすい ・近年注目度の高い競馬予想AI「SIVA」の予想が見れる ・こじはる、じゃいなど有名人の予想を掲載している |
サンスポ | 140円 | スポーツ新聞 | 全国(九州地方以外) | 縦 | ・サンケイスポーツは週刊誌「Gallop」や「競馬エイト」を発行、競馬情報に強い ・スポーツ新聞社屈指の競馬記者が取材力を活かした情報を掲載 ・「データde勝負」というデータ派に嬉しい情報を多数掲載 |
勝馬 | 470円 | 競馬専門誌 | 関東 | 縦 | ・競馬の専門家が目で見た仕上がり具合が記載されている ・厩舎情報、調教の情報まで◎、〇、△といった印で記載されている ・レースの短評が記載されているので、レースの傾向や波乱度の判断に役立つ |
優馬 | 500円 | 競馬専門紙 | 全国 | 縦 | ・戦績欄がシンプルに構成されていて分かりやすい ・競馬専門紙ならではの的中率の高い予想が掲載されている ・おすすめの買い方の記載がされている |
日刊競馬 | 470円 | 競馬専門紙 | 全国 | 縦 | ・レース情報や予想印だけではなく、専門家のコラムが豊富に掲載されている ・レース展開や見解にまで力をいれた情報を記載している ・個性的なトラックマンの様々な予想が掲載されている |
エイト | 500円 | 競馬専門紙 | 全国 | 縦 | ・競馬エイトオリジナルの◎印で注目馬がわかりやすい ・調教の動きのよかった馬を分かりやすく記載している ・的中よりも回収を重視した予想家の印はファンも非常に多い |
ブック | 500円 | 競馬専門紙 | 全国 | 横 | ・競馬新聞の中でも情報量はトップクラス ・穴馬狙いよりも堅実な馬予想に特化したスタイル ・予測オッズの精度が高いので前日予想はにもおすすめ |
ネットの競馬新聞も同じ見方!買いに行く手間がなくなる
競馬新聞は予想に欠かせないものとして古くから競馬ファンに愛用されています。しかし、近年は時代の変化により、紙メインの新聞よりネットで見れる新聞がメインに変わりつつあります。
ネットであれば、刻々と変わるオッズをリアルタイムで表示でき、パドックの様子も鮮明に伝えられます。過去の戦績も動画を交えて見ることができるので、情報量の多さは断トツと言えるでしょう。
また、1番のメリットとしては毎回新聞を買いに出掛ける時間を無くせる点、新聞に掛かるお金を減らせる点にあります。競馬専門紙並み、もしくはそれ以上の情報を、すぐにその場で、月額定額で見られるのは大きなメリットです。
ただし、紙媒体よりもネット上にあふれる競馬サイトは大量にあります。信頼できるサイトを見つけるのは紙の新聞よりも難しいかもしれません。